次回の東京での予約治療の日程

次回の東京での予約治療は下記を予定しております。

6/27㈮、多摩川
6/28日㈯、豊島園
6/29日㈰、多摩川

どうぞ宜しくお願いいたします。

ネガティブな感情と痛み

🔹1. ネガティブ感情が痛みを強めるメカニズム

● ストレス反応による神経の過敏化

ネガティブな感情(不安・怒り・恐怖・抑うつなど)は、交感神経を過剰に刺激します。これにより、身体は「戦うか逃げるか」の緊張モードに入り、筋肉がこわばり、神経の感受性が高まり、痛みを感じやすくなります

● 脳の痛みの処理に関与

感情を処理する扁桃体(へんとうたい)や前頭前野などの脳部位は、痛みの知覚とも深く関わっています。ネガティブな感情が強いと、痛みの「感じ方」そのものが強くなることが研究で明らかになっています。

● 慢性痛との関係

慢性的な腰痛や肩こり、線維筋痛症などでは、身体の問題だけでなく、心の状態が痛みの慢性化に深く関わっていることが分かっています。これを「痛みの感情脳ループ」と呼ぶこともあります。


🔹2. 東洋医学的な視点

東洋医学では、「気・血・津液の巡り」と感情は密接に関わっています。たとえば:

  • 怒り → 肝を傷つけ、気の巡りを乱す(→筋肉の張り・痛み)
  • 憂い・悲しみ → 肺や気の消耗(→慢性疲労・呼吸の浅さ・痛み)
  • 恐れ → 腎を弱め、生命力の低下(→関節痛・冷え)

つまり、感情の乱れは、経絡や内臓を通じて痛みの原因になると考えられています。


🔹3. 解決へのヒント

  • 深呼吸や瞑想、鍼灸などで副交感神経を優位にする
  • 誰かに気持ちを「話す」「書く」などして感情を外に出す
  • 身体への優しいアプローチ(食事・運動・生活のリズム・自然療法)で「心身の循環」を整える

✅まとめ

ネガティブな感情は、痛みを感じやすくし、痛みを長引かせる要因にもなります。
だからこそ、痛みへのアプローチは「体と心の両面」から行うことが大切です。

背中の緊張と免疫の関係

この様な症状はありませんか?

✅️背中の緊張が続いている

✅️背中の張りがなかなか取れない」

✅️マッサージしてもすぐ戻る」

背中の緊張が続く原因として

ストレス、姿勢の悪さ、内臓の不調の反射、筋肉疲労がありますが

実はその背中の緊張、免疫の低下により再活性化したウイルス(特にヘルペスウイルス)が関係していることがあります。


免疫力が落ちると、ウイルスが目を覚ます

ヘルペスウイルス(帯状疱疹の原因ウイルス)は、子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルスが体内に潜伏しているもの。
これが疲れやストレス、睡眠不足などで免疫が落ちると再活性化し、神経を刺激します。

その結果、

背中の片側にピリピリした感覚

筋肉が突っ張る、張る

押しても楽にならないコリ

などの“筋肉ではない”違和感が出てくることがあります。 数日後に発疹や水ぶくれとして現れることもあり、これは帯状疱疹と呼ばれます。

よって、筋緊張を安易に筋筋膜性が原因と考えることは思わしくありません。


当院のアプローチ

ナチュラルスタイルでは、こうした免疫や神経のバランスに着目し、
🧠YNSA®とオステオパシーを組み合わせた施術で
🌿「自らが治る力」を引き出すお手伝いをしています。

「ただの疲れ」だと思っていたその症状が、体の深い部分からのサインかもしれません。
どうぞ、気軽にご相談ください。

【夏本番に向けて】鍼灸師が教える!熱中症対策と体調管理のポイント

こんにちは。
鍼灸治療院ナチュラルスタイルです。

梅雨が明けると、本格的な夏の暑さがやってきますね。毎年、気温と湿度が急上昇するこの時期は、「熱中症」のリスクが高まります。

今回は、東洋医学的な視点も交えながら、熱中症対策についてわかりやすくご紹介します。


◆ 熱中症とは?

高温多湿の環境下で、体温調節がうまくいかなくなり、体内に熱がこもってしまう状態です。
めまい・吐き気・頭痛・脱力感・発汗異常など、軽症でもつらい症状が出ることがあります。

◆ 鍼灸師がすすめる!熱中症予防の3つのポイント

 ☑こまめな水分補給
のどが渇く前に、少量ずつこまめに。理想は常温または少し冷たい水を。
※汗と一緒に失われるミネラル(塩分)も忘れずに!

☑こまめな水分補給
のどが渇く前に、少量ずつこまめに。理想は常温または少し冷たい水を。
※汗と一緒に失われるミネラル(塩分)も忘れずに!

体を冷やしすぎない
クーラーの効きすぎや冷たい飲み物の摂りすぎは、東洋医学的には「脾胃(ひい)」を弱め、体調を崩す原因に。
冷房は26〜28℃を目安にし、首・お腹・足元を冷やさないようにしましょう。

 ☑睡眠と栄養をしっかりとる
疲れや睡眠不足は、熱中症リスクを高めます。
旬の野菜(きゅうり・トマト・なす など)を上手に取り入れ、体にこもる「熱(内熱)」を外に出しましょう。


◆ 鍼灸の力で「夏バテ予防」

当院では、東洋医学の観点から「気」「水」「血」の巡りを整えることで、夏に弱くなりがちな体を根本からサポートしています。
体のだるさや食欲不振、寝苦しさなどが続く方は、ぜひお気軽にご相談ください。


まとめ

熱中症は「誰でもなる可能性のある身近な症状」です。
日常生活の中で無理をせず、ちょっとした意識で予防ができます。
この夏を元気に乗り越えるためにも、できることから始めてみましょう。

気になる不調がある方は、鍼灸によるケアもおすすめです。

お気軽にお問い合わせください。

未病を防ぐ旬の食事「夏」

夏と言えば夏野菜です。例えば、トマトやキュウリ、ナス等が代表的です。その夏野菜に共通することは、ミネラル成分のカリウムが多い事です。カリウムは緩める働きがあり、夏のほてった身体をクールダウンさせます。夏野菜のほかにも、水分やカリウムが豊富に含まれる豆腐も同様の作用をします。

夏の暑い時、私達は無意識にあっさりした陰性の豆腐や麦類、特に精製したうどんやそうめん・・・(ビールも同様に夏にはよく合います)などが欲しくなります。

これは、四季の中で一番夏が清天の陽気の影響を受けやすい環境であるため、陽性に傾いてた身体のバランスを中庸(真ん中のベストな状態)に保つように陰性を補うよう、生理的に欲しているのです。


しかし、現代では部屋の中でクーラーをつけて冷たいアイスクリーム等を食べたりして、日中の大半を過ごされている方が多い事でしょう。先ほどにも述べましたが、通常、身体を冷やすと言う行動は体内に蓄積した熱を奪い、ベストの体温に保つための方法ですが、現代人の多くは基本的に一年中体内の熱を奪い、極度な冷えの方が多く見受けられます。目安となるのが平熱体温ですが、36.5度~37度の間に保たれている状態が通常の所を、36.5度以下の方や中には35.5度以下の方も多く、特に女性に目立ちます。

女性は男性に比べ、筋力が少ない事や血管内径が狭い事などの性差はありますが、現代人の多くは食生活などライフスタイルが原因です。冬場だけではなく、年中冷え症でお困りの方、夏場でも手足が冷え、むくみも酷く、しびれると言った症状を持っている方も多いでしょう。

これらの多くは東洋医学で言う水毒(水滞)とと言う症状が考えられます。簡単に述べると、通常代謝されるべき古い水分(老廃物)が体内に溜まっている状態なのです。

女性は夏に老ける・・・と言うなんとも耳が痛いと思う言葉ですが、これは、水毒は関係しています。そこからくる冷えは、便秘や肌荒れ、月経痛や月経不順、耳鳴り、頭痛・・・他、朝目覚めが悪い、疲れやすいと言った症状と関連しているのです。汗をかくべき状況で出すべきものをしっかり出して身体を温めれば、本来備わっている代謝力も回復しこれらの症状は改善できるでしょう。

食事での冷え対策は、夏の暑い時期ですが陽性で身体を温める働きのある食材…梅干です。お勧めの召し上がり方ですが、湯のみ中に梅干を1つ入れ、小さじ1杯の醤油と生姜を入れお箸などで梅干を潰します。その中に温かい番茶を注ぎ混ぜて召し上がって下さい。

これは梅醤番茶と言われ通常は冬の寒い季節に良く合う飲み物ですが、冷え性でお困りの方や、特に女性特有の症状にお勧めします。

そして、朝一杯の味噌汁です。味噌汁は(梅干も同様に)発酵食品ですので消化吸収が用意に行なわれる他、腸内に入ると善玉菌が増殖しますので便秘の予防にもなります。そして、味噌汁に使うお味噌ですが、最近の研究で癌の予防にも良いという報告が出ています。これは、1日3杯の味噌汁の摂取によって、乳がんの発病リスクが40%軽減出来ると言うものです。

しかし、これにも色々と問題があり、特に塩分の摂取が市販の味噌では過剰になるという事です。減塩対策と言うのも、塩分の種類が問題であって、精製塩は血圧の上昇や体液のバランスにも過剰摂取は好ましくありませんが、天然塩だとミネラルが豊富に含まれ、精製塩とは逆に人体に対する作用は良いとされます。ですからお味噌汁に関しても出来たら天然塩を使用したものが好ましいでしょう。

 味噌汁にはやはりご飯が良く合います。朝食を抜いてコーヒーだけの方や、パンを召し上がっている方も多いでしょうが、朝1杯の味噌汁とご飯生活を是非ともお勧めしたいです。昨今蔓延している生活習慣病の予防にも良いので梅干と同様に実践してみて下さい。勿論、食事の他にも軽い運動や私生活の見直しが必要です。

 運動は面倒、時間が無い…という方もいらっしゃるでしょう。そんな方にお勧めは、ストレッチです。筋肉を緩め血流を改善をします。簡単なものでも骨格を動かす事により発熱を促す事が可能です。ですから、日中は会社での休憩時間などで気がついた時や、自宅に帰ってからの入浴時や就寝前等に行なって下さい。

  また、日頃からダイエットに励んでいる方もいらっしゃる事でしょうが、このダイエットにも体温が大きく関与しています。例えば、同じ食事・運動をしてもAさんは減量に成功しているけど、Bさんは変化が乏しいと言った状況があります。同じカロリーを摂取して運動しているのにどうして?と、疑問が生じます。何が違うかと言うと、基礎代謝力なのです。代謝とは呼吸で取り入れた酸素と小腸で吸収された栄養素を血液で全身の細胞に運び、燃焼させ活動エネルギー(熱)を生成させる事なのですが、この代謝力の目安の一つが体温なのです。36.5度の体温の方と、35.5度の方(冷え性)の基礎代謝力を比べると、35.5度の方(冷え性)は36.5度の方に比べて、基礎代謝力が約13%も少ないのです。ダイエットも同様に冷えが関与していますので、身体を冷やさず温める食事や運動などを心がけて行なえば無理なく行なえる事でしょう。

梅は三毒を断つと言われるほど「解毒」に効果があり、古くから民間薬として用いられています。

三毒とは「血毒」「水毒」そして「食の毒」を指します。

動物性タンパク質やお砂糖を摂取すると血液は酸性に傾き血液が汚れるわけですが、梅のアルカリ性が中和してくれる、つまりドロドロ血をサラサラにしてくれます。

また、腹痛・下痢・便秘といった胃腸障害や疲労回復以外に、鎮痛作用、肌荒れ、そして抗ウイルス作用、殺菌作用があります。

私の体験談ですが、往診中に胃腸の動きが悪く身体に倦怠感が酷くあった際、薬局ではなくスーパーに行き梅干を買って食べて治したというエピソードがあります。摂取後の効果は早いですね。

摂取方法で最も理想が「梅を焼いて食べる」方法です。

梅干しを焼くと梅干しの糖とクエン酸が化学反応を起こして「ムメフラール」が発生し、強力な血流改善効果があると言われています。

自然療法で鉄板が「梅醤(生)番茶」です。コップに梅の梅肉を入れて潰し、そこに2~3滴の醤油と生姜のしぼり汁を入れ、熱い番茶を注いで飲用します。風邪や胃腸障害、肩こり、冷え、不眠、不安等にお試しください。

これからの季節性の風邪予防や感染性胃腸炎対策にも◎ですよ。

小豆

古くは厄払いの食べ物とされ呪術的で特別な食べ物でした。

煮汁は「利尿・解毒」の効果から「水毒」の症状に用いられ、心臓、肝臓、腎臓を補います。

栄養素としてはサポニンやポリフェノール、食物繊維、鉄分やビタミンB群が豊富なので、抗酸化作用や造血作用があり女性に強い味方です。

然しながら小豆を煮るのは大変!今は「あずき茶」や「玄米あずき粥」という市販の商品があるので、私はこれらをおすすめしています。

お腹が冷える、便秘、毒素の排泄に◎

尚、私は掲載の商品を使っています。あずき茶はJA丹波氷上で販売されているあずき茶。

玄米あずき粥はアマゾンで購入できますよ。

血液の汚れと不妊症

【傷病の原因は血液の汚れと循環不全】

血液の汚れや流れが滞った状態のことを、東洋医学では「瘀血(おけつ)」と言います。

血液が全身の37兆個の細胞隅々にまで、酸素など人体の生理機能に欠かせまい物質を運んでいるため、瘀血は細胞に負担が掛かりることは容易に想像できると思います。

これは単に生理機能に悪影響があるだけではなく、傷病にも関わっています。

傷病とは例えば肩こりや腰痛など運動器に生じる痛みや痺れや、様々な疾病のことを指します。

不妊症においてもこの瘀血はリスク要因と考えられており、この改善が質の高い卵子を造り、授かりやすい身体になると考えられています。

きれいな血液を造って正常に循環する身体になれば必ず「自然治癒力」が働きます。

では、きれいな血液を造るにはどうすればよいか・・

それは小腸の環境改善です。

小腸は植物で言えば根っこです。根腐れを起こすと枯れてしまいます。それと同様人間は小腸の働きが悪いと病気になるのです。消化吸収・解毒作用・造血作用など全てが小腸の働きです。


【小腸内で発酵、腐敗するかが健康を左右】

栄養素は摂取量ではなく吸収される量で考えなければなりません。吸収されない分は腸内で腐敗または発酵します。腐敗すれば血液は汚れ、発酵すればきれいになります。発酵させるためには発酵しやすい食物を摂ることと、小腸の働き(腸内環境)をよくすることが大切です。世の中には様々な健康法がありますが、判断基準は、「発酵」するか「腐敗」するかという事です。

結論は、「発酵する物を食べ、腐敗する物をやめましょう」血液を変えない限り、身体は変わりません。小腸が変われば血液が変わります。

【小腸内を健全に保つには】

食生活の改善が一番大切です。穀物・発酵食品・ミネラルや葉緑素のが大切です。世の中には様々な健康法がありますが、判断基準は、「発酵」するか「腐敗」するかです。繊維やミネラルの多い野菜・海草などは善玉菌(乳酸桿菌など)のエサになります。善玉菌の嫌うもの=悪玉菌(ウエルシュ菌など)により腐敗するものは動物性タンパク質や酸化した脂質、そしてお砂糖やグルテンです。

そして最も嫌うものは食品添加物・農薬・医薬品などの化学物質です。化学物質によるダメージは食生活を改善してもなかなか元には戻りません。

【発酵しやすい食べ物】…主食(ご飯、穀物)、発酵食品、繊維とミネラルの多い野菜や海藻類

【腐敗しやすい食べ物】…動物性食品やタンパク質の過剰摂取(肉、魚、乳製品など)

【酸化しやすい食べ物】…高温で調理した脂質の過剰摂取(炒め物、揚げ物、焼肉など)

妊活と腸活は切れない関係性があります。不妊症でお悩みに方はこの点についても詳しくご説明いたしますので、お気軽にご相談下さい。

冷え性と低体温

現在、日本人の多くは低体温化が進み特に女性で冷え等でお悩みの方が目立ちます。その理由としては、女性は男性に比べて骨格筋が少ない事や月経リズム、ホルモンバランスの影響等がありますが、現代人の場合は、不摂生な食生活からくる極度な貧血や、身体を冷やしやすい服装、職場等での空調環境、運動不足など生活習慣要因を伴っているようです。

身体が冷えるとどの様な生体反応があるかというと、自律神経(交感神経)の働きによって血管が収縮して血流が減少し熱の放散を防ぎ、同じく立毛筋が働くことによって体毛が周りの空気を断熱材代わりにして毛が立ちます。鳥肌と言えばわかり易いと思います。人体は無意識に身体を保温するための防御反応を起こすわけです。

低体温の症状だと常にこのような状態が持続しているようなものです。血液の循環が悪くなり、骨格筋からのエネルギー(ATP)の産生が低下するため、常に緊張状態で肩こりや腰痛などの痛みが起き易くなります。

血中に含まれる過剰な糖質や脂質なども通常は熱エネルギーにより燃やされるところが、血中にだぶついてしまい、肥満や糖尿病の原因にもなります。また、発汗機能も低下するため汗がかきにくく通常排出されるべき老廃物も排出さないため、肌荒れや疲れも表れやすくなります。

妊活においてATPの産生低下は、妊娠率や卵子の質にも影響すると考えられており、血中の糖質がだぶつくことは糖化を招きます。

がん細胞は熱に弱く、低温を好む事をご存知でしょうか?がん細胞は特に35.5度以下の環境が活性化しやすいようです。現在のがんの三大治療法は、①外科治療②放射線治療③薬物療法です。他に免疫療法や温熱療法などあり、その中に欧米ではすでに行われているのですが、がんの熱に弱い性質を利用した温熱免疫療法と言う治療法があります。それは、HSP(ヒートショックプロテイン)の働きを利用したものです。

人間にはHSP(ヒートショックプロテイン)と言う、熱(ヒートショック)に対して反応するタンパク質を持っています。細胞は、43℃以上の熱が加わるとタンパク質が壊れてしまいますが、42℃までの熱が加わると先ほど述べたHSPの生成が誘導され、自己と非自己(がん細胞)の識別能力が高まると同時に免疫力が向上します。この治療法は簡単に言うと自分の免疫力を活性化し自分の治癒力で治すものです。

身体を温める温熱免疫療法のひとつに、昔から民間療法でなじみのある湯治があります。湯治は、実際に、一日に2度、3度休憩を挟みながら温泉に入りますが、温泉成分が生体に特有な反応を与えている他、このHSPを活性化している事も考えられます。

それでは、何回も行なえばそれだけ効果が得られるのでしょうか?残念ながらそうではありません。HSPの活性化は1日目、2日目は活性化していくのですが、4日目をピークにその後は効果が減退していくようなのです。過ぎたるは・・・と言うことわざがありますがまさにその通りのようです。1日に休憩を挟みながら2度、3度入る事を2、3日間行なった後、1、2日間を空けてまた行なうと言うのが理論上では効果が持続すると言う事になります。

これは、湯治に関してなので縁がない人のほうが大多数でしょう。しかし、HSPは熱に対して活性化するタンパク質ですので、湯治に限らず身体を温めることによりその効果は期待できます。身体を温める事は、入浴など加温に限らず、陽性食品の摂取なども含まれます。

その他にも何か方法は無いのでしょうか?

実はHSPは熱だけに反応するのではなく、どんな侵害刺激(ストレス)でもつくられるので別名「ストレス・タンパク」とも呼ばれます。つまり、鍼灸や按摩、マッサージ、整体・・・などの代替医療や適度な運動や体操、寒風摩擦といった刺激でもHSPを活性化することができます。中でも特に熱がHSPを最も多く増加させることが出来るわけです。昔から民間で言われる、身体を冷やすことは病気を招き、温めると未病を防げると言うのもHSPで考えると納得のいく話です。

最後に、はじめに述べた現代人の低体温は生活習慣病のほか、女性は特に気になる美容やダイテット、妊活にも関与しています。HSPはがんなどの疾患に限らずこれらの症状にも効果が期待されているのです。

当院では、このHSPの作用を治療に取り入れており、鍼灸や整体以外に遠赤外線治療器「サンビーマー」を導入しています。

サンビーマーは、産婦人科学会で不妊症に有効性が示されています。遠赤外線はどれでも不妊症に効果があるわけでなく、5㎛~10㎛の周波数が効果があるとされ、このサンビーマーだけがこの周波数を出す遠赤外線治療器です。

炎症と消炎鎮痛剤

日常生活の中で擦り傷や切り傷、打ち身などは、比較的起こりやすい怪我です。そのとき、怪我をした患部が腫れたり(腫脹)(発赤)、痛みが発したり(疼痛)、熱を持ったり(発熱)機能障害を起こしたりします。これらの反応は炎症の5大反応と言われています。

これらの反応は、人体が外傷に対する防御反応(治癒反応)と言えるもので、生体自身が産生する「ケミカルメディエーター」(化学仲介物質)の作用により発生します。

サイトカインやヒスタミン、セロトンニンなど、なんとなく健康番組などで耳にした事がありませんか?例えばヒスタミンは花粉症などアレルギー症状に関与していると言われます。マスト細胞や好塩基球の顆粒中に蓄えられているのですが、これが皮膚の表層で働くと「かゆみ」として働き、深部で働くと「痛み」として感じたりします。花粉症の方は、鼻がムズムズしたりクシャミや鼻水大変です。これは、鼻の粘膜上で列記とした炎症反応を起こした結果起こる生体防御反応なのです。(アレルギーは免疫反応が過剰な状態です。ここではこのくらいの説明で。)

その他ケミカルメディエーターの例としては、損傷を受けた細胞内から「カリウムイオン」が、血液の成分で凝固作用のある血小板から「セロトニン」が、キニン類からは「ブラジキニン」・・・等が遊離し、結果、受容器を刺激していると言う訳です。

かゆみや痛み、いくら治癒反応と言っても何とかしたい所です。そこで一般的によく用いられているお薬が、消炎鎮痛剤です。これは、炎症反応で発生するプロスタグランジン(後から詳しく説明します)という仲介物質を抑制する働きがあり、結果痛みを抑えます。

現代薬の中で最も需要が多いのは、このプロスタグランジンの作用を抑制する「消炎鎮痛剤」と言われています。

何度も述べていますが痛みそのものは、体が症状を治そうとすることから起こる「治癒反応」です。つまり、消炎鎮痛剤で痛みそのものをとると言うことは、治癒反応の過程に水をさすようなものなので、我慢できる痛みであれば薬の使用を控えて様子を見たほうが良いでしょう。

しかし、痛みなど我慢の限界を超えそうなときは、薬を使用して痛みを和らげることは大切です。治癒反応の際、痛みを誘導するプロスタグランジンは、「シクロオキシゲナーゼ(COX)」と言う酵素(体内の化学反応を促進する物質)から作られます。

COXには「COX1」と「COX2」があって、この発痛増強物質が特に痛みに関与しています。(発痛物資にブラジキニン等がですが、これ自体が発する痛みは強いものではなく、プロスタグランジンによる増強作用が直接的に痛みに関与しています。)

それでは、この「COX」とはいったいどの様なものなのでしょうか?

(a) COX1は胃粘膜や腎臓などで胃粘膜を酸から保護したり、腎臓の血流量を維持したりする働をしてます。

(b) COX2は普段休眠状態で、怪我をしたときや炎症による刺激が加わったときに、局所に現れてプロスタグランジンを作ります。

これらCOXの作用を抑制する「消炎鎮痛剤はどの様なものがあるのでしょうか?一般的な物を説明します。

(1)「選択的COX1阻害剤」(アスピリン、ボルタレン、ロキソニン等の消炎鎮痛剤<NSAIDs>)

胃の粘膜を保護するプロスタグランジンの産出を抑えて胃を荒らします。また、交感神経を刺激する作用が強いため、使用頻度が多くなるほど、交感神経緊張状態に拍車がかかり、血流が悪くなり顆粒球が増加して負担が増えます。消炎鎮痛剤を処方されたら、胃を保護する胃薬も一緒に処方されていると思います。消炎鎮痛剤は交感神経を亢進させて、血管運動性に影響を及ぼすためです。

(2)「選択的COX2阻害剤」(モービック、セレブレックス等の消炎鎮痛剤)

COX2の働きだけを抑えて局所の炎症反応を鎮める作用があります。COX1の働きは抑えないため、胃の粘膜を荒らしたり、交感神経の緊張を招かず副交感神経を優位にしたまま痛みをとる作用があります。

以上からみると、痛みを和らげる目的として現代薬が必要な場合は、選択的COX2阻害剤を短期間だけ用いることが賢明でしょう。

(現在ではCOX2阻害剤の副作用も問題視されています。)ここで言う事はあくまでも慢性的に使用する事ではなく、一時的な使用を言っています。)

最後に痛みの治療で大切なことは、痛みが無いときに(楽な時)行なうセルフケアについて述べます。

 これは様々な痛みに限らず、妊活においても非常に重要な考えですので参考にしてみて下さい。不妊症の原因の一つに体内で炎症が生じているという考えもあります。


1. 副交感神経を刺激し血流を改善する。つまり、リラックス。(体操、ストレッチ、爪もみ、半身浴など)

2. ストレスをためない事(前向きな気持ち)

3. 休息をきちんととる事(疲れは交感神経を刺激します)

4.*食事の改善(特に大切)

リノール酸系のお食事(特にお肉や油物などに多く含まれる)を多く召し上げっている方はリノレン酸系のお食事(穀物・緑黄色野菜・海草・青魚)に切り替える事をお勧めします。先にも述べましたが、リノール酸は体内に入るとアラキドン酸に変化して、さらにこのアラキドン酸はその後様々な過程を経て、発痛増強物質(今回のポイント)であるプロスタグランジンを産出するためです。これらのことをきちんと気をつけると、再発を予防できます。逆に言うと、これらの事をきちんと行わないと、いつまでも痛みからは離脱できない。と言う訳です。

 お薬は何だかとっつきにくいし勉強は嫌な方も多いと思いますが、正しい知識と健康増進の意識を持って、自分の身体を自分で管理する「セルフメディケーション」でいつまでも健康生活を送りましょう。

慢性頭痛

当院をご利用者の中で、かなりの割合で今回のテーマの頭痛でお悩みの方がいらっしゃいます。


頭痛は、脳血管疾患など急性のものを除けばほとんどが慢性型です。しかし、頭痛がするからといって安易にお薬に頼ったり闇雲にマッサージや整体などの施術を行うのは大変危険ですので少し頭痛についてお話したいと思います。

慢性頭痛は大きく2つに分類されます。

1.血管性頭痛
2.緊張性頭痛

さらに2の緊張性頭痛は筋収縮性頭痛と筋緊張性頭痛に分けられます。

血管性頭痛は、いわゆる片頭痛の事で、月に数回不定期に発症する発生する拍動性の頭痛です。これは、30代の女性に多い頭痛で、原因は、ホルモンのバランスと考えられています。月経前後はエストロゲンの分泌が低下する事で、神経伝達物質のセロトニンの分泌が減少します。セロトニンは、睡眠や覚醒など大切な働きをしており、これらの影響で血管が収縮・拡張し痛みが発生するのです。

筋緊張性頭痛は、精神的な因子、つまりストレスにより発生する頭痛です。ストレスの影響で、後頚部や頭部の筋肉が緊張し抹消神経系を圧迫したり、血流が悪くなることで発生します。これらのタイプでは、特に頚部に筋緊張が強く、トリガーポイントという*関連痛を誘発する筋硬結があります。それらを施術する事で頭痛が解消されます。

*関連痛:押さえると得気(ひびき)が発生し、押さえている所と別の場所に圧痛が生じます。

筋収縮性頭痛は、過度な労働や極端な動作により筋肉が強く収縮し抹消神経系や血管を圧迫する事により発生します。例えば事務職で、長時間猫背でPCモニターを見ていると、その姿勢によって頚部の筋肉が疲れ、頚椎から出る後頭神経を圧迫し、神経痛が発生します。これも、2と同じように筋肉を緩めて、神経の通良くすれば症状が楽になります。

これらの頭痛への施術は、タイプによりアプローチをかける場所が異なります。つまり施術法が異なるので、状態を診てから行う事がいいでしょう。頭痛でお悩みの方はお気軽にご相談下さい。