睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠とがあります。
睡眠が始まると、筋の緊張は低下して心拍数や血圧も減少して、脳波ではゆるやかなシーター波やデルタ波がみられます。この時は、心も身体も眠っている状態で「ノンレム睡眠」といいます。
一方、睡眠中にはこのような状態が続くだけではなく、眼球がキョロキョロと動いたり顔や手足の筋に収縮が起きます。この時は、心拍数や脳波に変化が生じていて夢を見ている事が多いと考えられています。身体は眠っているけれども脳は覚醒時のような状態。これを、「レム睡眠」といいます。
成人では90分間隔で出現して一晩に4~5回起こっています。大体睡眠全体の20%はこのレム睡眠といわれますので、人間は人生の1/3は寝ていると考えると一生の7%前後は夢の中となります。
かなりの割合ではないでしょうか?
それが、新生児や乳児だと約50%がこのレム睡眠です。そのため3時間くらいで目覚めます。たまに寝ているのに急に泣き出したりする時がありますが、これは夢(レム睡眠)から覚めた事を表しています。
夜間だと、逆に表情に変化など見ることが少なくなりますので、熟睡している事がわかります。ですので、少しくらいの音が鳴ったり揺らしたりしても目覚めません。
「寝る子は育つ」といわれますが、ノンレム睡眠時には脳下垂体前葉から「成長ホルモン」が分泌されるからです。
赤ちゃんの頃はノンレム睡眠が大人よりも少ないのですが、成長と共にノンレム睡眠の割合は大人型に移行していきます。そのため、成長期に夜更かししたりする事はお勧めできません。
成人でも、人間は寝ているときに心身のケアをしているため早寝早起きの習慣がベストなのです。私たちが持つ自己治癒力は、夜の21時くらいから始まり2時くらいまでが最も高まっていると考える説があります。これを神経生理学で考えると、副交換神経優位となっていくためではないかと思います。、
世間ではアンチエイジングに関する情報番組やサプリメント等の商品を見かけるようになりました。健康に気をつけることは大変いいことですが、生活習慣を見直さないで健康を取り戻すことは難しいでしょう。今の状態は、過去の歩みを表しているのですから。何も始めなくては何も変わらないので、まず良い睡眠を取るために何か始めてはいかがでしょうか?
例えば、就寝前にアロマやお香をたいてリラックスしたり、ゆっくり半身浴をしたり、ストレッチや顔面や頭部マッサージをしたりなど色々あります。
鍼灸治療においては失眠というツボが不眠症に有効とされています。
臨床では不眠症など睡眠障害も多く診てきております。お気軽にお願いいたします。