癌性疼痛

■症状
癌による右頚部痛、回旋障害、肩甲間部の疼痛、腰部痛

頚部痛の疼痛は例えれば交通事故によるむち打ち損傷や寝違い時の急性症状に似ている。疼痛は常時あり、回旋動作や起き上がり動作時は苦痛を伴う。肩甲間部は夜間痛で目が覚める事もしばしば有りQOLを低下させている。

■手法
YNSA(山元式新頭針療法)

■診断
合谷診(右頚椎)
上腕診(①右頚 ②右腰椎 ③左腰椎)
首診(①右小腸、②右心 ③右大腸 ④左脾 ⑤左心包)

■施術
『YNSA』
A点(右)×2(※使用頻度高い)
D点(右)×1
小腸(右)×2(※使用頻度高い)
心(右)×1
大腸(右)×1
脾(左)×1
心包(左)×1
Jソマトトープ(左頭部)×1

■結果
施術後の鎮痛効果は高く自動運動は可能となる。疼痛レベルはNRS8程度→2程度まで緩和。

■考察
NSAID系の鎮痛剤の処方を受けているが胃癌進行への不安や身体の負担を考え、鍼で鎮痛をし鎮痛剤の使用は極力控え最低限に止めている。鎮痛剤の使用頻度は減少しており鍼で鎮痛剤の代替効果を得られていると考える。

しかし鍼治療による鎮痛効果の持続は1~2日程で2~3日目より疼痛の再燃があり7日目には8割程度症状が戻っている状況である。1週間毎の通院もしくは往診が望ましい。

■結語
鍼の鎮痛効果は一定ではなく、抗がん剤治療中は十分な効果を発揮し辛く疼痛が残存するケースが多い。一定の効果は得られるものの患者の体調や体力、そしてストレスによっても鎮痛作用に差が生じるため一定の経穴への刺鍼で効果を得ることは難しく、適宜経穴や鍼の本数を判断する必要がある。

鍼灸の研究が盛んに行われるようになりエビデンスの確立が成されている今、鍼灸は疼痛に悩む多くの癌患者のQOLに貢献できるだろう。今後の更なる発展を強く望む。

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