🔹1. ネガティブ感情が痛みを強めるメカニズム
● ストレス反応による神経の過敏化
ネガティブな感情(不安・怒り・恐怖・抑うつなど)は、交感神経を過剰に刺激します。これにより、身体は「戦うか逃げるか」の緊張モードに入り、筋肉がこわばり、神経の感受性が高まり、痛みを感じやすくなります。
● 脳の痛みの処理に関与
感情を処理する扁桃体(へんとうたい)や前頭前野などの脳部位は、痛みの知覚とも深く関わっています。ネガティブな感情が強いと、痛みの「感じ方」そのものが強くなることが研究で明らかになっています。
● 慢性痛との関係
慢性的な腰痛や肩こり、線維筋痛症などでは、身体の問題だけでなく、心の状態が痛みの慢性化に深く関わっていることが分かっています。これを「痛みの感情脳ループ」と呼ぶこともあります。
🔹2. 東洋医学的な視点
東洋医学では、「気・血・津液の巡り」と感情は密接に関わっています。たとえば:
- 怒り → 肝を傷つけ、気の巡りを乱す(→筋肉の張り・痛み)
- 憂い・悲しみ → 肺や気の消耗(→慢性疲労・呼吸の浅さ・痛み)
- 恐れ → 腎を弱め、生命力の低下(→関節痛・冷え)
つまり、感情の乱れは、経絡や内臓を通じて痛みの原因になると考えられています。
🔹3. 解決へのヒント
- 深呼吸や瞑想、鍼灸などで副交感神経を優位にする
- 誰かに気持ちを「話す」「書く」などして感情を外に出す
- 身体への優しいアプローチ(食事・運動・生活のリズム・自然療法)で「心身の循環」を整える
✅まとめ
ネガティブな感情は、痛みを感じやすくし、痛みを長引かせる要因にもなります。
だからこそ、痛みへのアプローチは「体と心の両面」から行うことが大切です。

