潰瘍性大腸炎とクローン病

~潰瘍性大腸炎とは?~

大腸の粘膜にびらん(ただれ)や潰瘍ができる病気です。下痢や血便に始まり、進行に伴い粘膜や膿が混ざった粘血便、下腹部痛、発熱、倦怠感、貧血、多重減少などが現れます。これらの症状は「寛解」、「再燃」を繰り返すとされます。再燃は避けられず生涯にわたる医療管理が必要とすることから、厚生労働省により1975年に難病(特定疾患)に指定されました。

~治癒反応のプロセスとは?~

1. 今現在有力視されているのは「免疫反応異常説」
(腸管免疫が正常に機能しないことが発病に関与していると言う考え)

2. 交感神経緊張緊張状態による(顆粒球による)組織破壊。

3. 増加した顆粒球は死ぬ間際に大腸の粘膜に到達し、活性酸素を放出して粘膜を傷つけられ、結果、粘膜にびらんや潰瘍が形成されるのです。

4. 若い人ほど自然治癒力が旺盛で、傷ついた体を治そうと、交感神経に傾いている自律神経を副交感神経へ一気に戻し、蠕動運動を促して大腸に詰まった内容物を下痢と言う形で排泄しようとします。

5. 副交感神経が優位になると血管が拡張して血流も回復して、傷ついた粘膜の再生が促進されます。

6. 5.の過程で、知覚神経を過敏にしてプロスタグランジン(プロスタグランジンについて詳しくは炎症反応を参考にして下さい)の産出が高まるため腹痛が起こります。

 7. 顆粒球の死骸である「膿」を排出するため粘血便も出てきます。

 ~難治化の原因とは?~

 1. 現代医学では、治癒反応で伴う不快な症状を悪玉と決めつけ、消炎鎮痛剤(ペンタサやサラゾピニンなどの「腸溶解性のアミノサリチル酸」)や炎症を抑えるために「ステロイド」を処方します。

 2. 1.はいずれも交感神経を緊張させて、治癒に必要な「プロスタグランジン」の産出を抑制し、顆粒球も増え、活性酸素による組織破壊が拡大するため病気は難治化していきます。<顆粒球の増加が原因の病気に対して、顆粒球をふやす治療では難治化して当然と考えます。>

  ~クローン病とは~

 潰瘍性大腸炎と同様の経過をたどって難治化しています。小腸を中心とする消化管の粘膜に炎症が起こり、潰瘍が出来たり消化管の内腔が狭くなったり、腸壁に穴が開く病気です。

 症状として、発熱、腹痛、下痢、血便、体重減少などを伴います。小腸は「リンパ球のテリトリー」のようなところで、顆粒球は侵入できません。そのため、小腸に生息するマクロファージが炎症を起こします。治療には消炎鎮痛剤、ステロイドのほか、免疫抑制剤(アザニン、イムランなど)が用いられます。

 ~対策としては?~

 潰瘍性大腸炎・クローン病ともに、最終的に薬から離脱していく事が治癒で必要になるでしょう。(注意:お薬の使用方法は必ず医師の指示の元に使用する事。ご自身の考えで増やしたり減らしたりしない事)炎症の勢いが強く患部の狭窄が進んでいる場合は一定期間の使用はやむ得ません。

 食事が取れるようになったら早期に服用を見合わせます。(必ず医師の指示を頂く事。)服用を止めると、抑えられていた症状が一気に噴出するため、初めの2~3日は激しい下痢や腹痛が起こるが、これを過ぎると1週間ほどで炎症はおさまるでしょう。<この期間、脱水症状が起こらないよう水分を十分補給して下し。>

 ステロイドを使用している人は、使用期間に応じて、半年から一年くらいの間に何度かのリバウンドを繰り返します。症状も激しいので、【医師の管理下で薬を減らしていきます】

 過労や精神的なストレスが引き金となるため、内、外的ストレスを遠ざけるように心がけて下さい。自律神経のバランスを整える工夫(軽い運動やストレッチなど、血流をよくする)をするようにして下さい。

鍼灸治療はこれら潰瘍性大腸炎やクローン病に一定の効果があるとされています。

臨床では特にお灸は免疫のバランスを保つ作用があり症状の安定には有効です。

お気軽にご相談下さい。

関節リウマチ

~関節リウマチとは~

 体のあちこちの関節が痛む病気。初期症状としては朝のこわばりが現れる。同時に体のだるさや発熱、下痢などの全身症状を訴える方も少なくない。(これは風邪の症状であり、ウイルスとリンパ球の闘いによって始まる病気と言える。)

                                                                  ~発症原因~

 1.リウマチの多くは「パルボウイルス」の感染をへて発症するという研究がある。
 2.しかし、免疫革命で有名な安保教授は他に「風邪ウイルス」が関与していると述べている。
 (ただし、パルボウイルスは風邪ウイルスと同様、ありふれたウイルスであるため、誰もが50~60歳までには感染し、免疫が作られため、ウイルスだけではなく他にも原因が考えられる。)
 3.その原因は「身体にかかる様々な負荷(ストレス)」である。

 ~メカニズム~

 1. リウマチ患者の血液中には、正常値を大幅に超える「顆粒球」の増加と、「リンパ球」の減少が認められる。
 2. 関節液中の白血球にいたっては、その「98%が顆粒球」。
 3. 1.2.より、リウマチは「リンパ球の急性炎症」で始まり、それが「顆粒球の慢性炎症」に移行した病気と理解できる。
 4. 顆粒球は周囲に細菌があるときには「化膿性の炎症」をつくるが、無菌の関節内では「活性酸素を放出」して周囲の組織を破壊する。
 5. 4.により異常になった自己細胞が関節内に現れる。
 6. 5.を処理するのが、NKT(胸腺外分化T細胞)である。NKTは異常自己細胞を専門に処理する。<外来の敵を攻撃するリンパ球より進化が古い。つまり、外来の敵を攻撃するのが新しい免疫系だとすれば、NKTは古い免疫系と言える。>
 7. 6.が処理する際、関節には炎症が生じ、発熱や腫れ、痛み等の症状を伴う。(これは傷ついた細胞を修復するときに起こる「治癒反応」である。)このとき、新しい免疫系のリンパ球は減少する。従って、リウマチは(新しい)免疫系が抑制された「免疫抑制の病気」と言うことができる。

 ~現代医学の解釈~

 リウマチは過剰な免疫反応によって生じる「自己免疫疾患」ととらえている。つまり、本来なら外的を攻撃するはずのリンパ球が、間違って自己細胞を破壊し、結果、炎症が生じていると考えられている。そこで、現代医学ではリンパ球の過剰な反応を抑え、関節の炎症を消すために、「ステロイド剤や免疫抑制剤、消炎鎮痛剤」を使用する。

 ~リウマチを治癒に導くには~

 1. 免疫抑制剤、ステロイド剤、消炎鎮痛剤を離脱すること。(難治化させる因子)
 (これらは、交感神経緊張状態を促し、血流障害を助長させ組織の修復を妨げる。特にステロイド剤の作用は強く、長期使用すると激しい冷え、不安、不眠等、様々な体調不良を招く。)

 2.1. を使用する場合、短期間の炎症を抑える目的で使用し、長期の維持療法としては使用しないようにする。薬を止めると、関節に激しい発赤、発熱、痛みが生じて体がだるくなる。(これらは、血流が回復することで生じる治癒反応と理解し、安静にする。)

 3.薬の離脱後も1年は発熱と痛みの炎症を繰り返すことになるが、脱却のためには必要なプロセスである。

 4.ライフスタイルを見直し、内、外的ストレスを遠ざけるとともに、積極的に自律神経の働きを整え、血流改善に努める事。
 (例:体調のいい日は早起きをし、体操や散歩等で体を動かす。夜はゆっくり休んで楽しい食事をする。ぬるめのお湯にのんびり浸かる。)

鍼灸治療はリウマチに有効とされています。

自己免疫疾患には特にお灸が効果的です。お灸は免疫のバランスを整える作用があることが分かっており、免疫が低ければ上がる、過剰な反応があれば下げてくれます。

リウマチなど、自己免疫疾患もお気軽にご相談下さい。

肩こり

肩こりはあって当たり前の症状で病気には入らないと思っている方が大半だと思いますが、肩こりは初期の身体からの危険信号であり、何もしないでほっておいて症状が進行すると肩こりが原因で発症する様々な疾患になる事があります。

それは、高血圧や筋緊張性頭痛、消化器系等の内科的疾患や、頚椎のヘルニアや変形性頚椎症、肩関節周囲炎(五十肩)等整形外科的疾患や眩暈、耳鳴り、難聴、視力低下など眼科耳鼻科疾患、うつ病や不眠など精神神経疾患などが挙げられます。



しかし、肩が痛いからといって肩を揉めば症状が良くなる、というものではありません。

専門知識の無い者が揉んだり叩いたりする行為は、そのときは気持ち良いかもしれませんが、翌日悪化したり筋肉がだんだん硬くなり、その行為自体が悪化を招くことにも繋がります。

頚部や肩の筋肉が原因ではなく他に原因がある場合(例えば狭心症では左肩が痛くなります。慢性的な疾患や頚椎に奇形など)もありますので、専門家に診てもらう事が懸命と言えるでしょう。

臨床現場では、患者さんからはどうして肩が凝るのですか?とよくたずねられます。実は現代医学では肩こりの発生機序は明確にはなっておらず、筋肉の持続緊張であったり、その疲労感、倦怠感などの疼痛が密接な関係によって発症すると考えられています。

臨床的には、長時間の姿勢保持などによる筋緊張や肉体的及び精神的疲労による疲労物質の蓄積や血液の循環不良、又は神経系の圧迫、そして自律神経からきていることが多いです。

発症部位としては、「僧帽筋」の上部繊維と「肩甲挙筋」がその主役で、肩背部にある菱形筋や上後鋸筋、頚部にある胸鎖乳突筋や斜角筋、頭板状筋など後頚筋群が関与しています。これらの場所を触診してみて、凝り(筋硬結)や圧痛、筋繊維の張りやつっ張り感など筋肉に負担があり発症している場合、肩背部や頚部への施術で痛みや違和感の軽減や緩和はしますが、これらの部位の神経支配は副交感神経が関わっているため、根本改善には自律神経の調整が必要になります。

肩こり等の「凝り」は交感神経を亢進させ、反対に副交感神経を抑制させるため、免疫系や内分泌系にも影響を及ぼし、症状を放置すれば不定愁訴群として全身症状に発展する場合があります。そのため、臨床では肩こりでご相談頂いた患者さんの大半が主訴以外に頭痛や不眠、食欲不振などの症状を伴っています。

自律神経の乱れ→交感神経優位→神経領域での反応が身体に生じる→肩のこり→交感神経を亢進→免疫力低下など→不定愁訴の発症→肩こりの悪化→悪循環のループ

当院では、局所は勿論診させて頂きますがその症状が発症している原因を追究し、自己治癒力を最大限発揮できるようにするため、全体を診させて頂いています。全体とは、お身体だけではなく内的な心や精神の状態も含め、それらの状態改善も重要視しています。そして、受診後は症状良くなっても数日後には元通りになってしまわないように、自宅で行えるセルフケアや食事療法等の指導も行っています。

肩こりは万病の元です。何だか調子の優れない方やもうすでに我慢している方、又は未病治のために当院で心と身体のケアをしてみてはいかがでしょうか?

お気軽にご相談下さい。

浮腫(水毒)

冬場だけではなく、年中冷え症でお困りの方、夏場でも手足が冷え、むくみも酷く、しびれると言った症状を持っている方も多いでしょう。これらの多くは東洋医学で言う水毒(水滞)と言う症状が考えられます。簡単に述べると、通常代謝されるべき古い水分(老廃物)が体内に溜まっている状態なのです。

女性は夏に老ける・・・と言うなんとも耳が痛いと思う言葉ですが、これは、水毒は関係しています。そこからくる冷えは、便秘や肌荒れ、月経痛や月経不順、耳鳴り、頭痛・・・他、朝目覚めが悪い、疲れやすいと言った症状と関連しているのです。汗をかくべき状況で出すべきものをしっかり出して身体を温めれば、本来備わっている代謝力も回復しこれらの症状は改善できます。

食事での冷え対策は、夏の暑い時期ですが陽性で身体を温める働きのある食材…梅干です。お勧めの召し上がり方ですが、湯のみ中に梅干を1つ入れ小さじ1杯の醤油と生姜を入れ、お箸などで梅干を潰します。その中に温かい番茶を注ぎ混ぜて召し上がって下さい。これは梅醤番茶と言われ通常は冬の寒い季節に良く合う飲み物ですが、冷え性でお困りの方や、特に女性特有の症状にお勧めします。

そして、朝一杯の味噌汁です。味噌汁は(梅干も同様に)発酵食品ですので消化吸収が用意に行なわれる他、腸内に入ると善玉菌が増殖しますので便秘の予防にもなります。

そして、味噌汁に使うお味噌ですが、最近の研究で癌の予防にも良いという報告が出ています。これは、1日3杯の味噌汁の摂取によって、乳がんの発病リスクが40%軽減出来ると言うものです。

しかし、これにも色々と問題があり、特に塩分の摂取が市販の味噌では過剰になるという事です。減塩対策と言うのも、塩分の種類が問題であって、精製塩は血圧の上昇や体液のバランスにも過剰摂取は好ましくありませんが、天然塩だとミネラルが豊富に含まれ、精製塩とは逆に人体に対する作用は良いとされます。ですからお味噌汁に関しても出来たら天然塩を使用したものが好ましいでしょう。

味噌汁にはやはりご飯が良く合います。

朝食を抜いてコーヒーだけの方や、パンを召し上がっている方も多いでしょうが、朝1杯の味噌汁とご飯生活を是非ともお勧めしたいです。昨今蔓延している生活習慣病の予防にも良いので梅干と同様に実践してみて下さい。

勿論、食事の他にも軽い運動や私生活の見直しが必要です。運動は面倒、時間が無い…という方もいらっしゃるでしょう。そんな方にお勧めは、ストレッチです。筋肉を緩め血流を改善をします。簡単なものでも骨格を動かす事により発熱を促す事が可能です。ですから、日中は会社での休憩時間などで気がついた時や、自宅に帰ってからの入浴時や就寝前等に行なって下さい。

また、日頃からダイエットに励んでいる方もいらっしゃる事でしょうが、このダイエットにも体温が大きく関与しています。例えば、同じ食事・運動をしてもAさんは減量に成功しているけど、Bさんは変化が乏しいと言った状況があります。同じカロリーを摂取して運動しているのにどうして?と、疑問が生じます。何が違うかと言うと、基礎代謝力なのです。代謝とは呼吸で取り入れた酸素と小腸で吸収された栄養素を血液で全身の細胞に運び、燃焼させ活動エネルギー(熱)を生成させる事なのですが、この代謝力の目安の一つが体温なのです。36.5度の体温の方と、35.5度の方(冷え性)の基礎代謝力を比べると35.5度の方(冷え性)は36.5度の方に比べて、基礎代謝力が約13%も少ないのです。

ダイエットも同様に冷えが関与していますので、身体を冷やさず温める食事や運動などを心がけて行なえば無理なく行なえる事でしょう。

ダイエット

ダイエット!痩身!減量!・・・という宣伝を町のいたるところで目にします。これらは、数年前までは女性だけのものでしたが、昨今の健康ブームとメタボリックシンドロームという言葉の浸透により、男性や子供にまで関心が及んでいるように思います。

現代日本は、食生活が豊かになった事で食生活が起因の疾患が高度経済成長期以降急速に増えてきました。例えば現在問題視される糖尿病ですが、昔は日本人は糖尿病にはなりにくい民族であると考えられていたのですが、実はそうではなくなりやすい民族である事が分かっています。

それは倹約遺伝子(飢餓遺伝子)が我々日本人のDNAの中に組み込まれているからです。これは、私たちの祖先が様々な飢饉を乗り越え食べ物が無かった時代を生き抜くために獲得した能力です。摂取した栄養素を効率よく吸収してくれると考えてください。つまり食べれば食べた分吸収し貯えるというわけです。当たり前の話ですが、我々日本人はこの遺伝子のおかげで吸収がいいという事になります。

現代社会においては何ともありがた迷惑とお思いの方もおられる事でしょうが、ダイエットに関していうと非常に重要な事項となります。食べたら肥るのだから、食べなければいい!と単純に考え実行している方も多く、これは非常に危険ですので避けるべきです。20前後の女性に食事をしないダイエット方法を行っている方が多く、肌荒れや集中力の低下、無気力の他にも若年の骨粗鬆症や無月経などの発症の原因となっています。

じゃあどうすればいいの?と話しがつながるわけですが、まずは心の冷えを取ることが大切です。心の冷え?とお思いでしょうが、これは心が冷たいと言っているのではなく精神状態が安定していない事を差しています。

先程の食べないダイエットを行っている方の中には、我々が見ると十分標準の体系で決して肥っていない状態であっても、本人が理想とする状態と比較して肥っていると考えて安易に食事制限を始める方もおられます。

これも「心の冷え」の影響です。

必要な栄養素が減るわけですので今までよりも体重は一定量は減少するでしょう。しかし、必要な栄養素を摂取しないことで筋力は低下するだけでなく精神の状態が不安定となる事もあるのです。

例えば、最近なんだか怒りっぽくてイライラしているとします。怒りは、交感神経系の亢進状態であり、そこにはアドレナリンが関係しています。アドレナリンは肝臓に作用してブドウ糖を血液中に運んでいるのですが、食事制限をしていると血糖値が勿論少ない(低血糖)状態ですので、身体は糖質が足りない!と判断してアドレナリンを大量に放出します。結果、イライラしたり交感神経系の緊張状態によって起こる症状(イライラ・冷え・筋肉の強張りなど)がでます。

また、脳の働きにはブドウ糖が必須で、常に安定した供給が必要なのですが、これらのような場合には供給が不十分となり脳の神経細胞が生きる事や成長が出来なくなります。これでは、物覚えも悪くなるし、気分も落ち込み、意気消失します。

脳内のブドウ糖量は勿論多すぎても駄目ですが、必要量が供給されていれば集中力や注意力、物覚えもよくなり、精神も非常に穏やかになります。

糖質を例に挙げましたが、他にビタミン不足(欠乏症)で言うと、ビタミンB1の不足(欠乏)でもイライラしたり、重度では脚気やウェルニッケ脳症(意識障害・精神障害)が発症するとされます。

また、B2の不足では口内炎や口角炎、ナイアシンの不足ではぺラグラ(皮膚炎・下痢・痴呆)、葉酸やB12では、巨赤芽球性貧血、ビタミンCでは壊赤病、ビタミンAでは夜盲症、ビタミンDではくる病(小児の骨軟化症)や骨軟化症、ビタミンEでは溶血性貧血や脱毛、ビタミンKでは出血傾向(通常VKは腸内細菌が生成するので不足はあまりありませんが…)などなど挙げればきりがないくらい沢山の疾患に関与しています。

極端な食事制限や偏食などの影響で精神状態が不安定になり、食事制限している方の場合には、身体は栄養素が不足しているので食事を欲します。しかし、正常な判断が出来ないので食べる事が悪い事のように錯覚し、(食べる事=罪)食べたら嘔吐をするといった状態になりかねません。

また、ジャンクフードや甘い物、油物のように高カロリーで栄養素の偏りが続くと上記と同じく精神症状がでることがあります。
そして、イライラするから食べる→落ち着いて罪の意識を感じる→ストレスを感じ嘔吐、もしくは食べる→イライラする・・・といった悪循環にはまってしまうのです。

ダイエットを行う前に、自分自身の心の冷え(精神状態)を見直して下さい。


過剰にストレスを感じていたり物事を悲観的に考えていたり…して、ありがとうやおかげさまでといった感謝の気持ちや素直な心を忘れていたりしませんか?そして、単に痩せることを目標にせずに自分自身の心と身体が喜ぶ優しい方法で実践し、心・体・魂の状態を綺麗にしてあげませんか?

当院では、このように心と身体の安堵を行い、結果、考え方や人生観までも変える事を整体(施術)として考えています。


今回の痩身(ダイエット)に関しても同様です。そのため、痩身も含め初回のカウンセリングには時間を掛けてじっくりとお話しを伺います。代替医療は、身体の部分から心(精神)にアプローチをかける事が出来ます。そのため、整体などを受けた後には肩こりなどがスッキリするだけでなく、今まであったイライラやお腹の調子、寝つきが良くなったりなど自律神経系の諸症状が安定する事がよくあります。

結果、イライラしなくなるので前向きに物事を考える事ができ、人に対しても優しくなれます。すると自然と”ありがとう”という言葉が出るのです。綺麗な言葉を使うようになるので、心や魂がドンドン磨かれていきます。ひとりひとりの状態に合った正しい方法で身体に優しい事を行えば、身体は必ず答えてくれます。あなたの身体は、あなたの心と共に同じ人生を歩んできてくれたのですからあなたを裏切る事はありません。各種諸症状でお悩みの方、ご相談はお気軽にお申し付け下さい。

癌性疼痛

■症状
癌による右頚部痛、回旋障害、肩甲間部の疼痛、腰部痛

頚部痛の疼痛は例えれば交通事故によるむち打ち損傷や寝違い時の急性症状に似ている。疼痛は常時あり、回旋動作や起き上がり動作時は苦痛を伴う。肩甲間部は夜間痛で目が覚める事もしばしば有りQOLを低下させている。

■手法
YNSA(山元式新頭針療法)

■診断
合谷診(右頚椎)
上腕診(①右頚 ②右腰椎 ③左腰椎)
首診(①右小腸、②右心 ③右大腸 ④左脾 ⑤左心包)

■施術
『YNSA』
A点(右)×2(※使用頻度高い)
D点(右)×1
小腸(右)×2(※使用頻度高い)
心(右)×1
大腸(右)×1
脾(左)×1
心包(左)×1
Jソマトトープ(左頭部)×1

■結果
施術後の鎮痛効果は高く自動運動は可能となる。疼痛レベルはNRS8程度→2程度まで緩和。

■考察
NSAID系の鎮痛剤の処方を受けているが胃癌進行への不安や身体の負担を考え、鍼で鎮痛をし鎮痛剤の使用は極力控え最低限に止めている。鎮痛剤の使用頻度は減少しており鍼で鎮痛剤の代替効果を得られていると考える。

しかし鍼治療による鎮痛効果の持続は1~2日程で2~3日目より疼痛の再燃があり7日目には8割程度症状が戻っている状況である。1週間毎の通院もしくは往診が望ましい。

■結語
鍼の鎮痛効果は一定ではなく、抗がん剤治療中は十分な効果を発揮し辛く疼痛が残存するケースが多い。一定の効果は得られるものの患者の体調や体力、そしてストレスによっても鎮痛作用に差が生じるため一定の経穴への刺鍼で効果を得ることは難しく、適宜経穴や鍼の本数を判断する必要がある。

鍼灸の研究が盛んに行われるようになりエビデンスの確立が成されている今、鍼灸は疼痛に悩む多くの癌患者のQOLに貢献できるだろう。今後の更なる発展を強く望む。

ASD(自閉症スペクトラム)

ASD(自閉症スペクトラム)とは?

ASD(自閉症スペクトラム)は発達障害の一つで、脳の先天的な機能障害を指します。

以前まで自閉症やアスペルガーという表現をしていましたが、現在は「自閉症」や「AS(アスペルガー症候群)」はこのカテゴリの中に含まれます。

悠玄堂では、このASDにより長年苦しい思いをされている方々からご相談があり加療を行っております。

例えばA様、人との関わりや刺激に過敏で自律神経障害を呈しておられました。医療機関を受診しご自身の症状は理解いたしましたが、身に起きている不調は改善せず当院にご相談がありました。

主な自律神経障害は、過度な筋緊張、痺れ、各所の痛み、吐き気、耳鳴り、顎関節の違和感(顎関節症)。一時期は頭部の痒みや湿疹もありましたが、現在は治癒しています。

施術ではクラニオセイクラルオステオパシーという頭蓋領域のオステオパシー(整体)とYNSAの頭皮鍼で対応いたしました。

ASDは脳の器質的な機能障害とされていますが、施術により症状の緩解し生活の質は向上いておられます。

下記に施術で加えた頭皮鍼の写真をご紹介いたします。

鍼が苦手な方には徒手施術のみで対応可能で

より高い効果を求める方には鍼治療の併用をオススメいたします。

ASDお気軽にご相談下さい。

変形性腰椎症・腰椎圧迫骨折後遺症

■症例報告 変形性腰椎症・腰椎圧迫骨折後遺症■

90代女性。この患者さんは平成28年7月から治療を行っています。難病の原発性胆汁性胆管炎と膠原病(全身性強皮症)を患っておられて、腰部痛を治して欲しいとご依頼がありました。

平成31年2月9日迄は、鍼灸とオステオパシーでアプローチを行い、いつの間にか上記の原発性胆汁性胆管炎と強皮症は治癒しました。患者さんもどうしてかしら?と言っていましたが、恐らくこれ迄の強いストレスが原因だったのでしょう。全身症状がありそれは非常にお辛らかった事と思います。

現在は痛みも大幅に回復し良く眠れるようになりましたが、腰が伸びない事と腰の動作時痛をもう少し良くなりたいと要望があります。

腰椎は加齢と骨折の影響で変形が強く、本人も『もう歳だから仕方がないわね』と半ば諦めていましたが、でもどうしても治したいと。

これ迄の治療は本人の希望(頭に鍼は嫌)もあり頭部はクラニアルオステオパシー以外に行っていませんでしたが、これ以上の改善にはYNSAの必要性があることを説明し行う事になりました。

■手法■
YNSA(山元式新頭針療法)、オステオパシー

■診断■
『YNSA』
合谷診(左③④)
上腕診(左頚、左脳幹)
首診(左右腎、左右肝)

『運動器』
寝返り動作、離床動作時に疼痛。立位は姿位の保持の際に支持物が必要。体幹の伸展時に疼痛が生じるため体幹を屈曲し疼痛の緩和をしている。

■施術■
『YNSA』
A点(左右)×各1本
脳幹点×2本
H点×2本
肝点(左右)×各1本
腎点(左右)×各1本

■経過■
これ迄の施術に+YNSA。先にYNSA診断をし頭部へ置鍼。その間(30分)でオステオパシーと鍼灸治療を実施。施術中の寝返り動作で既に効果が出ているのは確認できていました。

抜鍼後に動作確認のためベッドから起きて立ってもらう事に、、、。(本人は半信半疑です)

起き上がるのも軽くなり、本人は不思議そうな顔をしています。あれみたいな。

私『では○○さん、確認のため立ってみましょう』

患者さん『あれ、何か違うわね、、。ここが痛いのよね、、あれ痛くないどうして?楽に伸びるわねー(笑)』

私『だいぶ変わりましたね。○○さん、今何も持ってないけど立てているのを気が付きましたか?』

患者さん『あらホント(笑)こんなに変わるのね』

座ってもらって説明。

私『○○さんが痛い腰とか足の痛みはこれ迄の治療で患部から出ている痛みはだいぶ回復しています。ただ、○○さんのように長い間痛みを我慢し続けてきたり(色々とお話を聞いて)ご苦労が多いと、痛みを患部以外に脳が記憶してしまうわけですね。ですから引き続き脳の循環をよくしてたまった記憶を抜いてあげる治療が必要です。今○○さんが痛みを感じているのは患部よりも頭の中にある割合が高いと思います。』

患者さん『ほー頭なのね(笑)。先生に前にもお伝えしたように(何度も検査をして)私は脳の左半分の血流が悪いと言われているの。もっと早くやれば良かったわね(笑)』

交通事故後遺症

■症例報告 交通事故後遺症■

30代男性。相談は視力低下でしたが、問診を続けて行くとバイク事故で右手根骨骨折(Ope有)と頚椎捻挫後遺症がありました。平成31年2月24日より開始

■手法■
YNSA(山元式新頭針療法)、鍼灸治療、オステオパシー

■診断■
『YNSA』
合谷診(右③)
上腕診(右頚、左右脳幹)
首診(左右肝、右腎、右大腸)
腹診(肝臓、小腸)

『脉診』
肝実脾虚

■施術■
『YNSA』
A点(右)×2本
脳幹点×1本
脳神経点(視神経・左右)×各1本
C点ー手(右)×1本
小腸点(左)×1本
肝点(左右)×各1本
腎点(右)×1本
大腸(右)×1本

『鍼灸治療』
太衝(左右)×各1本+お灸
地機(右)×1本+お灸
沸泉(右)×お灸

『オステオパシー』
頚椎の抑制技法のみ

■経過■
視力は矯正具(メガネ)を取ると測定出来ないため矯正具有で測定。

施術前(左)1,0→施術後(左)1,2
施術前(右)1,2→施術後(右)1,5
施術前(両側)1,2→施術後(両側)1,5

右手掌の手根骨骨折の疼痛は検査時は触ると声が出るほど強い痛みでした。

施術前のNRS10ー10(10段階中の10)
施術後 NRS 10→4

頚椎捻挫後遺症については段階を踏んで調整の必要があるため、オステオパシーで抑制技法のみ実施しました。

初回施術で大幅に疼痛が緩解したと考えられるケースです。

慢性疼痛

症例報告

特定される原因がなく痛みが慢性的に続く症状です。

多くの方に日頃から感じている痛みがあるかもしれません。

毎日の事だから、大したことない、など放置している方も少なくないでしょう。

ですが慢性痛を自律神経は反応しており、知らず知らずのうちに心身は疲弊し、不眠やイライラ、食欲不振といった自律神経障害を発症することがあります。

また、慢性的な痛みは記憶として残ります。精神に影響することで思考の低下やうつ傾向となり、場合によっては社会生活に支障をきたすケースも少なくありません。 

当院ではこれまで慢性疼痛を対応する機会を多く経験して来ました。

慢性疼痛は患部の抹消だけの問題ではなく、脳や脊髄といった中枢に問題が生じている場合があります。

つまり、慢性痛は患部ではなく脳が感じ取っているのです。 

例えばこちらの患者さまのケースです。首や肩の痛みで腕が上がらず、体操では腕を動かさないようにしているとご相談がありました。

頭部に8本鍼を打ち「○○さん、いかがですか?」「あら痛くないわ(笑)」この後上がらなかった腕を上げて体操を始めました。

痛みのある患部には一切触れず、慢性痛を感じている頭部に鍼をしたのです。

結果、慢性痛は緩解し痛みを忘れて行えなかった動作が可能になりました。

■頚肩部痛による左上肢の挙上不全

■YNSA診断・上腕診左頚椎・首診左小腸、左大腸YNSA治療点A点(左)×A1、A7C点(左)×1Jソマトトープ×左頭部、左頚Iソマトトープ×D3小腸(左)×1大腸(左)×1